飲食店の中でもカフェは比較的簡単に開業できるといわれており、個人店だけでなくフランチャイズ店も含めて全国各地で幅広い年齢層の方が新規開業をしています。
しかし、実際には新規開業するお店よりも廃業するお店が多く存在している現実があり、夢だったカフェをオープンさせてもなかなかうまく経営できない人が多いのが実情です。
カフェ開業を目指している20代の方も多いですが、20代だからこそカフェを開業するメリットがある一方で、注意しなければいけないこともたくさんあるのであらかじめ把握しておく必要があります。
この記事では、カフェ開業を目指している20代の方向けに成功させるポイントを詳しく紹介しますのでぜひ参考にしてご検討ください。
カフェの開業に年齢が影響するのかどうかを考えてみましょう。実は開業のタイミングの年齢によってそれぞれに特徴があるということがいえます。
一般的に若い世代の方が体力があるといえます。カフェの営業では開店中、基本的に立ちっぱなしです。忙しく動き回らなければならないため体力があることは重要です。すぐ疲れてしまったり、忙しさから体調をくずしてしまうようなことがあれば、カフェの営業にも支障をきたします。そのためカフェ開業は体力がある20~30代でおすすめといえます。
カフェでの勤務経験はアルバイトでも可能で、それはカフェの開業にあたり大きなメリットとなります。しかし、開業にはカフェでの仕事や接客など以外にも、さまざまな経験が必要となります。予期せぬトラブルが起こった際にも、その対処にはこれまでの経験が役に立つ場合があるのです。また開業となると経営のノウハウを知っていることが重要となるため、経営経験のある40~50代が強いといえます。
近年は宣伝広告にSNSを利用するお店も多くみられます。実際に普段からSNSに慣れ親しんでいるのは20~30代でしょう。それらのデジタル世代は、それぞれのSNSの使い方をよく知っており、見せ方やバズり方も理解していると考えられます。それに比べて40~50代になると、個人差はあるものの使いこなせるほどの人は少ないかもしれません。
20代よりも40、50代の年齢のほうが長く生きている分、自己資金を貯めている場合が多いと考えられます。開業の際の自己資金は多ければ多いほど、融資額が少なくて済むため、余裕がある状態となります。
上記のようにカフェの開業と年齢の関係には一長一短があるといえます。
カフェ開業では、規模や立地、経営状況によって大きく異なりますが、飲食店よりも安い初期費用で700万円から開業が可能とされています。比較的に開業しやすい業種であることから、20代での開業も不可能ではありません。しかし、最初の数年間は収益が安定しない場合があります。それらもふまえたうえで、カフェを開業する際の心構えを知っておきましょう。
カフェを安定してを軌道に乗せるためには、我慢の期間があります。まずそこを乗り越えることがひとつめの試練といえるかもしれません。夢を現実にする強い気持ちを持ち続けることが重要です。うまくいかない期間も心折れることなく、やりたいと思ったときの気持ちを忘れずにいることを大切にしましょう。
飲食店同様、カフェの経営も天気やさまざまなな外的要因によって日々の売り上げに影響があります。また忙しいわりに、すぐに利益が出るわけではありません。
信念を持って続けられる人が成功しやすいといえます。
メニューや店舗の内装、雰囲気などでオリジナリティを発揮し、トレンドに敏感で変化にも柔軟に対応できることは大切です。カフェの外装や内装、家具や食器へのこだわり、他のカフェとの差別化などに独自性をもたせるアイディアはもちろんのこと、世間のトレンドをいち早くキャッチし、うまく取り入れたものを具現化できる力が重要です。SNSを意識することは20代ならではの感性が際立ちます。また、カフェを運営する上での課題を見つけ出し、より良いものに改善していくことも必要です。
どんなに雰囲気が良いカフェでもコミュニケーションが足りなければ、殿様商売となってしまう可能性があります。コミュニケーションをはかることは、意思疎通をおこない交流すること、気配りをおこなうことにつながります。カフェはくつろげる場所ということを第一に考えましょう。スタッフの対応がよければリピーターも増え、安定した売り上げを確保することも可能となるでしょう。
20代だからこそ、カフェを開業するメリットとして1番大きいのは、融資を受けやすい点です。
カフェを開業するにあたって、備品を買い揃えたい、店内の改装をしたいなどの希望があり、どうしてもまとまったお金が必要です。
あらかじめ自己資金を用意できている方は問題ありませんが、多くの方は融資を受けてお金を用意して開業資金にしたいのに、誰でも簡単に融資を受けられるものではありません。
ただし、20代の若い世代は、経済を活性化させたい狙いがあり、国や自治体からの融資を比較的受けやすいメリットがあります。
たとえば、日本政策金融公庫では「女性、若者/シニア起業家支援資金」を用意しており、若い世代向けの融資を実施しています。
ほかにもクラウドファンディングで多くの人から資金援助を募り、若い人の可能性を信じてもらえるメリットもあります。
20代は開業資金の融資を受けやすいメリットがあると説明しましたが、申込をするだけで簡単に融資を受けられるものではありません。
融資制度だけでなく、クラウドファンディングでも同じことですが、しっかり事業計画を立て、開業後は事業計画に沿って黒字の状態を安定させることを目指さなければいけません。
そのためにも、しっかりお店の立地条件や想定されるお客様のニーズを調査し、計画どおりに集客できる勝算があるのかをじっくり検討しましょう。
たとえば、近くにライバル店がある場合は、独自のメニューを考え、他店とはまったく違うコンセプトで競合しない客層を狙うなど綿密な調査を行うことも大切です。
従業員を雇うことも検討する場合は人件費がかかる点も忘れずに、客単価と1日の集客数を考えて目標にすべき売上高も計算しておきましょう。
事前に計画を立てた売上高を順調に達成できればよいのですが、開業後しばらく経つとなかなか計画どおりにいかなくなる場合もあります。
たとえばオーナーのこだわりが強すぎて、お客様のニーズとマッチしないためなかなか集客につながらないケースも考えられます。
何も宣伝をしなくてもお客様がどんどん来店するようなお店はあまりないので、開業前だけでなく開業後も定期的にお店の宣伝をするなどの対策が必要です。
また、来店したお客様に次回も来店してもらう、お友達に宣伝してもらうために特典を用意するなどリピーターを掴む工夫も必要です。
国や自治体では、20代の若い感性と可能性を評価され、カフェを開業したいと考えている方をお金の面でバックアップする体制が整っているので、開業資金面では比較的苦労しにくいメリットがあります。
ただし、しっかり事業計画を立てておかなければ希望どおりに融資を受けられない場合もありますので、お店の立地条件やコンセプトなどをよく考えて開業後は安定した経営を続けられるように準備を整えることが大切です。
お客様のニーズにマッチするカフェを目指すことが大切なので、オーナーのこだわりだけを重視するのではなく、お客様のニーズを満たせるのかもよく考慮しながら、夢のカフェ開業に向けて前向きにご検討ください。