【飲食店開業マニュアル】③物件取得に向けて不動産会社とコンタクトをとる方法

物件取得に必要な費用について

コンセプトや希望物件が決まってくると、不動産会社とのやり取りをして物件取得をすることになります。一般的な飲食店開業の物件取得に必要な費用は『家賃の11ヶ月分程度』とされており、東京都内で開業するためには最低でも300万円程度は必要と言われています。これらの物件取得に必要な資金の内訳は、以下の通りです。

保証金(敷金)

『保証金』とは、契約期間中に滞納があった場合の家賃債務や、部屋を損傷させた場合の修理費等、借主が負うことになる金銭債務を担保するものとして、契約時に貸主へ支払うお金のことです。これは住居を借りる時の『敷金』と同じで、契約終了時に家賃滞納分や借主に責任のある損傷の修理費、償却費等を差し引いた金額が返還されます。ちなみに、保証金や敷金は預け金である為非課税となります。

礼金

『礼金』とは、賃貸部分を所有する大家さんに対して『貸してくれてありがとうございます』といったお礼の意味で支払うお金であり、契約時に貸主へ支払うことになります。ちなみに、保証金(敷金)と異なり、退去時に返還はされません。

仲介手数料

『仲介手数料』は、物件を契約するにあたって仲介を行なった不動産業者へ支払うお金のことです。賃貸借契約の場合、仲介手数料の上限は『賃料の1カ月分』とされています。また、仲介手数料は取引が成立したことに対する成功報酬なので、物件の売却や購入、賃貸借の仲介を依頼したものの、売買契約や賃貸借契約が成立しなかった場合は支払う必要はありません。

造作譲渡料

造作譲渡料とは、居抜き物件に残されている内装、厨房設備、什器などを買い取るための費用です。居抜き物件の場合、物件のオーナーと内装の所有者が異なることが多いため、貸主との賃貸借契約とは別に前店舗の事業主(前に借りていた人)と造作買取の契約を結ぶ必要があります。

前家賃

『前家賃』は物件を契約する際に、初月賃料および翌月分までの賃料の支払いを前もって取り行うお金のことです。もしも契約した月中に入居し家賃が発生した場合は、入居日からその月末までの家賃を日割り計算した金額と翌月分の家賃を一緒に支払うことになります。

飲食店開業するためには、これら全ての項目について開業後の運転資金とは別に資金を用意しておかなくてはなりません。

不動産会社とのコンタクトの取り方

物件取得にかかる費用が明確になったら、不動産会社とのコンタクトをとりましょう。その際は以下の項目に気を付けるとスムーズにすすめることが出来ます。

事前にアポをとる

不動産会社へ訪問する際は、事前に電話などでアポを取ることをおすすめします。事前の連絡で、ある程度物件取得の希望条件を伝えることが出来れば、訪問時にはあらかじめ物件資料を用意してくれているでしょう。アポなしで訪問してしまうと、担当者が不在であったり他のお客様の対応待ちということがあるため、二度手間になる可能性があります。

なるべく午前中に訪問する

アポではなるべく午前中の訪問を予定しておくと良いでしょう。午前中に訪問すると、実際に物件資料で気に入った物件がある場合、午後に物件訪問することが出来るのでおすすめです。

予算は正直に伝える

不動産会社には物件取得にかけられる予算を正直に、明確に伝えてください。この際に余裕のある予算を伝えることは大切ですが『最大で出せる費用』についても伝えることが大切です。例えば、余裕を持って借りられる物件が40万円、最大で50万円まで出せる状況なら、最大の予算を伝えていれば41万円で希望通りの物件を見つけられる可能性があります。はじめから可能性を狭めないためにも、余裕のある予算と最大の予算を明確にしておきましょう。

物件の希望条件を伝える

事前に物件の希望条件は明確になっていると思うので、それらを全て伝えるようにしましょう。希望条件の優先順位まで決まっているとスムーズに進めることが出来ます。まだ物件の希望条件が曖昧だという場合は、一度立ち止まって物件の希望条件を詰めるところからはじめると良いでしょう。

開業時期を伝える

開業時期が決まっている場合は必ず伝えるようにしましょう。特に決まっていない場合でも『良い物件が見つかれば早めに開業したい』という意思をみせることで、不動産会社の担当者も意欲的に物件探しをしてくれます。

不動産会社の担当者と上手に付き合うには

良い物件をいち早く手に入れるためには、不動産会社とよい関係性を築いていくことが不可欠です。そこで、ここからは不動産会社の担当者と上手くやりとりをし、ストレスなく希望の物件を取得するコツについて紹介していきます。

良い担当者の特徴

一般的に『良い担当者』と言われる特徴は以下の通りです。

  • ・要望をきちんと聞いて、顧客の立場にたって一緒に考えてくれる
  • ・物件のメリットとデメリットをきちんと説明してくれる
  • ・質問に対して正確な答えをしてくれる。たとえすぐに分からない場合でも、きちんと調べてから必ず返答してくれる

逆にいうとこれらの特徴に当てはまらない場合、その後の物件探しがスムーズにいかない可能性があります。そのため担当者とやり取りをする際は、これらの特徴に当てはまっているかを確認をすることがおすすめです。うまくいかない、と感じた場合は素直に担当者を変えてもらうか、他の不動産会社を検討するのが良いでしょう。

こちらが気を付けるべきマナーについて

不動産会社の担当者と上手く関係を築くには、自分自身も気を付けるべきポイントがあります。

・事前に費用が明確になっていること

費用や予算があいまいな状況で不動産会社とやりとりをするのは止めましょう。そんな状態で相談されても、担当者は良い物件の提案ができません。費用について明確にした状態でやりとりするのは、最低限のマナーだと思ってください。

・開業時期や希望条件を正直につたえること

開業時期や希望条件については、決まっていることを正直に伝えてください。『こんな条件を伝えて馬鹿にされないだろうか……』などと考える必要はありません。

・能動的に取り組むこと

物件取得は自分と担当者が協力して行うことです。不動産会社に丸投げ、というスタンスだと同じような条件で探している意欲的な人物に優先して物件を紹介されてしまうかもしれません。物件取得に必要なコミュニケーションは、積極的とるようにしましょう。

・不満や疑問は放置しないこと

紹介された物件に不満や疑問が浮かぶ場合があるかもしれません。その際は、正直にその不満や疑問を伝えてください。担当者も不満や疑問について知ることで、より良い物件の提案がしやすくなります。

まとめ

いかがでしたか。飲食店開業をするためには物件取得費用だけでも数百万円かかるため、なるべく希望通りの物件を取得したいですよね。希望通りの物件を取得するためにも今回紹介した良い担当者の特徴や、自分自身が気を付けるべきマナーなどについて参考にしてみてください。


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