和菓子店は儲かる?開業の流れと経営の実情

日本の魅力と伝統を伝えることができる和菓子は外国人にも人気です。和菓子店は儲かるのでしょうか?

和菓子店とは

和菓子店は、日本の伝統的な菓子である「和菓子」を製造・販売しているお店のことです。和菓子店では、四季折々の風情や素材を活かした美しい見た目と繊細な味わいの和菓子が販売されています。和菓子は、日本独自の菓子文化です。

主な材料

小豆(あんこ)、もち米、白玉粉、寒天、黒糖など

種類

団子、大福、ようかん、最中、練り切り、桜餅、どら焼き、かるかん など

特徴

季節感を重視したデザイン、抹茶や日本茶との相性が良い店内製造の手作り和菓子や桜餅や月見団子といった季節限定の商品、贈答用の包装や詰め合わせ、茶席・茶道用の上生菓子の提供、地元の名産を活かした和菓子開発などが和菓子店でも主なサービスとなります。

日本の文化・季節を感じられ、見た目が美しく、贈り物にも最適、健康志向の人にも人気であることが和菓子の魅力といえるでしょう。観光客にも人気があり、日本の「おもてなし」の心を感じられるお店です。

国内の有名な和菓子店

参考までに有名な和菓子店を紹介します。

  • ・鶴屋吉信(つるやよしのぶ/京都)
  • ・虎屋(とらや/東京・京都)
  • ・一幸庵(いっこうあん/東京)
  • ・仙太郎(せんたろう/京都)

和菓子店の特徴

和菓子店の特徴は、単にお菓子を売るだけでなく、日本の伝統・季節感・美意識を大切にする文化的な要素が強く表れていることです。

季節感を大切にする

和菓子は四季に合わせて変化するため、店頭商品も定期的に入れ替わります。

春 : 桜餅 / 夏 : 水ようかん / 秋 : 栗まんじゅう / 冬 : 雪を模した練り切り など、見た目でも季節を感じられるように、色・形・意匠が工夫されています。

繊細で芸術的な見た目

まるで芸術品といわれる練り切りなどは非常に美しい仕上がりとなっています。手作りならではの個体差も味わいの一つとして人気があります。

素材の味を活かしたやさしい甘さ

小豆、抹茶、栗、黒糖など自然な甘さと風味を活かしています。洋菓子に比べて油脂が少なく、ヘルシー志向な人のスイーツとして定評があります。

茶道や儀式文化との関わり

茶会用の「上生菓子」など、正式な場で使われる菓子を扱います。お盆、お正月、節句など伝統行事と密接に関係しています。

地域色豊か・土地の名物がある

地元の特産品を使ったオリジナル和菓子も多くみられます。

贈答・お土産文化との親和性

包装や詰め合わせにこだわり、贈り物としても人気が高いです。のし紙、風呂敷、和紙などを使った美しいパッケージが特別感を感じさせます。

店構えも伝統的

木造や和風建築の店構えが多く、雰囲気も味の一部としてとらえられています。暖簾(のれん)や和紙のメニューなど、和の意匠に統一されています。

和菓子店の特徴は、「味・見た目・文化」の三拍子がそろっていることで、ただの甘味処ではなく、日本の美意識を伝える場としての役割を担っているのが魅力です。

和菓子店は儲かる?

工夫と戦略次第で十分に儲かる可能性はありますが、簡単ではありません。

粗利率が高い

和菓子の材料となる小豆やもち粉、砂糖などは比較的安価です。伝統技術や見た目の美しさなどに手間がかかる分、販売価格に付加価値をつけやすく高単価にできます。

季節イベントや贈答需要が強い

正月・節句・お盆・お彼岸・七五三など、和菓子の需要が集中する時期が多いうえ、法事や結婚祝いなどでの贈答用の需要も比較的高いです。

観光地や百貨店に強い

外国人観光客や和文化好きの人から人気で京都・金沢・浅草などでは高単価でも売れる傾向があります。

一方で儲けにくい・難しい側面ももちあわせています。

職人の技術と人件費がかかる

和菓子は手作業が多く、機械化しずらいため人に手に頼ることになります。技術継承も難しく、人材育成にコストと時間がかかるのです。

日持ちしにくい商品が多い

生菓子は保存が難しく、廃棄ロスが発生しやすいため、消費期限の短さが大量販売に不利といえます。

菓子・コンビニ・安価品との競争

若い世代は洋菓子を好む傾向があり、和菓子の需要が減少傾向にあります。またコンビニスイーツや量販店が安価で手軽な和菓子を販売しており、そちらを手にとる人も多くいます。

和菓子店開業の流れ

和菓子店を開業するには、「技術・資金・店舗・届け出・集客」などをバランスよく整える必要があります。

和菓子作りの技術を習得する

和菓子教室、製菓専門学校、和菓子店勤務で修行などで技術を学ぶ必要があります。または自身以外のそのような人材を探さなくてはなりません。商品ラインナップを試作・確立します。

コンセプトの決定し事業計画を作成

コンセプトの決定し、対象ターゲット(観光客・地元客・若者・高齢者)を明確にし、事業計画を作成しましょう。

物件探し

商店街、観光地、住宅街など立地を検討します。路面店か、シェアキッチン・キッチンカーなども選択肢として検討可能です。

必要な資格・許可の取得

食品営業許可開業前に立ち入り検査あり
飲食店営業許可カフェ併設の場合
食品衛生責任者調理経験がなくても1日講習で取得可能
菓子製造業許可パンやケーキなどの菓子類を製造し、販売・店舗営業を行うために必要な許可で、食品衛生法に基づく営業許可の一つです。

管轄の保健所に申請し、許可を得る必要があります。厨房の構造基準があります。
開業届税務署に提出。個人事業主登録

店舗設計・内装工事

作業場・厨房・ショーケース・冷蔵設備・包装設備、和風の内装や看板などで雰囲気づくりをおこないます。

メニュー開発

売れ筋商品と季節限定商品を決定し、原価率・人件費・包装代などを計算して価格設定をおこないます。また小豆、もち粉、包装材、箱などの仕入れルートの確保も同時におこないます。

販促

SNSアカウント(Instagram・X・LINEなど)を開設、ホームページ・Googleマップ登録(MEO対策)

開業

最初は少量生産からスタートし、在庫や客数に応じて調整します。顧客の反応を見て改善を繰り返すことが重要です。

和菓子店を成功させるコツ

  • ・ブランド価値を高めて高級路線に
  • ・インバウンド需要を取り込む
  • ・外国語メニューや体験型和菓子教室
  • ・オンライン販売・ふるさと納税に対応
  • ・常温保存できる焼き菓子や詰め合わせで全国配送
  • ・カフェ併設でイートイン強化
  • ・和菓子+抹茶・ほうじ茶セットで客単価アップ

まとめ

和菓子は繊細な職人技による技術が必要です。単価は高く設定できますが大量生産には不向きです。有名店になればなるほど人気と共に儲かりますが、開業時はなかなかうまくいかない場合もあるでしょう。うまく工夫し、確かな戦略をもつことが重要です。


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